料理研究家 濱田美里

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2015年4月『包丁研ぎに挑戦しよう』

2015.04.28 │ いままでのメニュー

〜ご案内より〜
特別講習『包丁研ぎに挑戦しよう』(講習料10,800円/ランチ・砥石付き)

今回は包丁研ぎの基本をお教えします。
砥石とシャープナーの何が違うのか。
どうすれば包丁が切れるようになるのか。
日本に伝わってきた『研ぐ』という技術について、まずは勉強しましょう。
それから実習です。
みなさんが普段お使いの包丁をお持ちください。
うまくとげたら、トマトがスパッと切れます。
よく切れる包丁で切ると、味が変わります。

砥石に関しては、濱田が10年以上愛用している、シャプトン社のセラミック砥石があります。
中に含まれる研磨剤の量が一般の砥石よりも多くて長持ちする上、
どのような包丁にも使える優れたものです。
その中で、家庭での包丁研ぎに適しているもの(『刃の黒幕』シリーズ1500番/定価5,184円)を一人1台お持ち帰りいただきますので、家でもぜひ包丁研ぎの練習をしてください。
包丁研ぎは魚おろしと一緒で、何度も練習すればしただけ、身に付きます。

今回はこちらでランチ(手作りパン、スープ、メイン)をご用意しますので、包丁研ぎが終わったら、切れ味の良い包丁で野菜を切って具沢山サラダを作り、皆さんで一緒に食事をしましょう。
人数は濱田の目が届くよう、1回の定員を5名とさせてください

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4月のお料理の会は、特別講習で包丁研ぎを取り上げました。
きっとみなさん1本研いだだけでクッタクタになるはずなので、
今回は私たちの方でランチを用意しよう!ということに。
だけど、せっかく研いだ包丁で、少し切ってみていただきたかったので、
トマトやら、パプリカやらをスパッとスライスしてもらって、
それでサラダを作りました。
「きゃーこんなにトマトが薄く切れる〜。」
とみんなで紙のように薄切りして、大笑いした回もあれば、
疲労困憊の中、
「わー、スパスパ切れますね!!」
と静かに切れ味を堪能された回あり、
毎回お教えすることは同じでも、
全6回の講習でそれぞれの生徒さんの包丁や研ぎと向き合って、
私自身、初心にかえることができ、
本当に充実感のある教室となりました。

実は、「包丁研ぎを教えてください。」とは、
以前から何度も生徒さんにリクエストいただいていたのですが、
ずっと二の足を踏んでいました。

私が20代のはじめに料理を志した時、まず手がけたのが包丁研ぎでした。
最初の1ヶ月は毎晩2時間。
刃がつくことを覚えるまで、何本も包丁と砥石をだめにしました。
今でも包丁研ぎは本当に奥が深い、と思っていますし、
10年以上もかかって身につけたことを
どうやって初めての方にお教えしたらいいのか・・・
自信が無かったのです。

でも、私自身も最初は右も左もまったくわからなかったわけだし、
わからなかったからこそ知りたかった。
そして、包丁を研ぐという技術を授けていただいたことで、
料理の世界がうんと明るくなった。
包丁の冴えで食べものの味が変わるんだ!って心底びっくりした。
だから、ただその扉を開くお手伝いができたらいいのではないか、
と思い、今回の講習を企画しました。

やってよかったーと思います。
今回すべての方に、荒砥、中砥、仕上げ砥、
しかも12000番の砥石まで使って研いでいただきました。
きっと予想よりも根気や集中力のいる重労働だったんじゃないかなと思います。
でも、切れるようになった包丁で、料理がこれまでよりも楽しく、
疲れないものになったのではないかと思います。

私は今回、皆さんにお教えするために、改めて包丁と研ぎについて勉強をして、
刃物をこんなにも大切に扱い、鋭く研いできた、
この国の先人たちの思いに少し触れたような気がしました。
本当によく切れる刃物で切られたら、切られたことにも気がつかないのではないかと思います。
切る相手(食べもの)を大切に扱うために、切る道具を整える。
これが日本人の優しさのかたちなのか、と思いました。
やさしいって厳しいんだなあ、なんて思ったことでした。

皆さん、ほんとにおつかれさま〜。

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(投稿:美里)

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