料理研究家 濱田美里

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2015年5月『濱田美里の郷土料理④群馬篇』

2015.06.24 │ いままでのメニュー

『濱田美里の郷土料理④〜群馬篇〜』

群馬は小麦文化圏です。昔ながらの小麦の扱いに注目!
以前に訪れた上野村のイノブタを使った料理に加え、今回はみなかみ町を訪れ、新しい料理を教わってきます。お楽しみにー。

・だんご汁(養蚕農家で作られていた、小麦を使った汁もの。季節の野菜をたっぷり入れて)
・山菜の味噌焼きおやき
・こんにゃく作り
・麹納豆
・上野村のイノブタロースト 初夏のソース(これは美里オリジナル)

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風薫る5月は、群馬県の郷土料理、初夏バージョンを作りました。

これまで、群馬の料理上手おばあさんを取材するたびに、
台所で何度も目にしたのは、古い大きなブリキ缶!
中には必ず小麦粉が入っていました。
おっきりこみや手打ちうどんなど、みなさん小麦料理を食生活の軸に置いておられ
年季の入ったこねばちでおいしい料理を振る舞ってくださいました。
その中でも、だんご汁とお焼きは、現代の忙しい生活でも簡単に取り入れやすく、
応用のきく料理だと思いましたので、このたびご紹介することにしました。

みなかみ町で教わってきた「だんご汁」。
本来ならこんな風に白菜やなめこなどが入るものなのだそう↓

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ですが教室では、旬のアスパラやスナップえんどう、パプリカを入れた変化形をつくりました。
ポイントは、教えてくださった原沢さんのやり方で、だんごを煮るのとは別に野菜を炒めること。
そしてだんごの形も重要でした。

群馬のお焼きは、長野のものとは違い、材料をすべて混ぜ、多めの油でかりっと揚げ焼きにしたもの。
ふきのとうや穂紫蘇などの個性の強いものを混ぜても、まったくえぐみを感じず、たくさん食べられます。
味噌の香ばしい風味が、ビールともよく合いますね。

そしてこんにゃく作り。
コンニャクイモから手作りしたできたてを食べる機会ってなかなかありませんよね。
生のコンニャクイモは、アクがものすごく強くて、扱いも大変ですが、
火を通したものを使えば、手がかゆくなることもなく、割とカンタンにこんにゃくが作れます。
ふうわり、ぷりっとした手作りこんにゃくは、薄くスライスして
これまた群馬で教わった梅びしおをはさみました。

麹納豆は、昭和村のおばあさんから教わりました。
発酵食品どうしの名コンビ。
作っておくととても便利でおいしい常備菜になります。
今回はアボカドとあえました。
なぜかチーズみたいな味になります。

最後に、上野村のイノブタをローストに。
オーブンの温度を上手に管理して、中はしっとりジューシーに。
山椒のヨーグルトソースは和食にも合う味です。
さっぱり甘夏も添えました。

今回は、新緑のみずみずしい空気や、さらさら流れる川の音を思い出しながら
群馬県の料理を皆さんにお伝えしました。
山の生活から生まれたたくさんの知恵、
ぜひ普段のお料理に活用してくださいね。

(投稿:美里)

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