料理研究家 濱田美里

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よもぎ

2017.06.07 │ ブログ

5月のBREAD&SWEETSのお教室では、米粉でごはんのようなプレーンベーグルと、甘いおやつベーグルを作りました。
おやつベーグルの方は、よもぎ生地で丹波の黒豆甘納豆を巻いて、よもぎだんごをふんわりとパンにしたような出来上がり。
食べるとよもぎの香りがふんわりして、存在感たっぷりのおいしい甘納豆が出てきます。

思いのほかきれいな緑色が出たのは、つんできた生よもぎを使ったからかな。
すぐそばの川原にはたくさんよもぎが生えていて、つみ放題です。

昔取材で沖縄に行ったとき、料理を教えてくださったおばあさんが
「フーチバー(よもぎ)は血がきれいになるから。」
といろいろなものに入れておられました。
ヤギの汁物にも、臭み消しに青じそみたいな気軽さで入れておられたな。
家に帰ってから、まねしてやってみたかったけど、東京ではなかなかよもぎを手に入れることができませんでした。
(いや、銀座のビルの合間とかだって生えてはいたけど、そこでよもぎをつむ勇気はなかったですね。さすがに)
仕方が無いので、実家の庭から送ってもらったりもしましたが、沖縄の物と本土の物は厳密には種類が違うので、薬味的な使い方は難しかったです。
それでも、油と合わせてみたり(かき揚げに入れてみたり)、沖縄で教わったみたいにおかゆに入れてみたりすると、
一気にからだが温まってビックリしました。
特に胃が冷えて弱っているときには効果てきめん。
もっと日常的に使いたいなと思っていたのでした。
なので神戸に来てよもぎを見つけた時は、小躍りしました。
これでいろんなものが作れる!と。

考えてみれば、30代の前半は、頻繁によもぎ蒸しサロンに通ってずいぶん冷え体質を改善してもらったし、
今でも具合が悪くなるとすぐにお灸(よもぎからできている)をしてたいていの不調はなおしてしまうので、
よもぎさまさまなのです。
中医学では、艾葉(ガイヨウ)と言って、気血を温め、冷えによる痛みや不妊、月経不順などに良いとされる生薬ですから、
何となくアジアだけのものかなあと思っていたけど、
今改めて『大地の薬(ヨーロッパの薬用植物の神話、医療用途、料理レシピ)』(スザンネ・フィッシャー・リチィ著)という本をひもといてみると、
ヨーロッパにも古くからあって、「あらゆる婦人病の際にやさしく助けてくれる、女神の植物」とまで書かれている!

ヨモギのベーグル、初経前の女の子のおやつに食べさせてあげたいです。
(私は生クリームのケーキとかばっかり食べてたからなあ)
女性のからだはむやみに冷やさないようにね、
自分を大切にする知恵とともに。

私たちの足もとにあるものをもう一度見直して、活かしていきたいですね。

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