料理研究家 濱田美里

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黒枝豆の火の通し方 比較レポ

2019.10.28 │ ブログ

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丹波篠山の黒枝豆をたくさんいただきました!
うれしすぎる?
(また長くなります。すみません!)

今年は例年よりも実が大きくなるのがだいぶ遅かったのだそう。
もう何年か前から、築地では「温暖化の影響で黒豆が遅くなっていて、新豆はお正月に無理」と聞いていましたが、さらに遅くなっているようですね。
海も山も、環境変化の影響をジリジリジリジリと受けていますね。

それにしても。
篠山の黒豆というのは、東京に住んでいる頃は築地を通して遠くの貴重な貴重なものとして手に入れていたのに、
(とくに枝豆なんて、旬が一瞬なのでよけいに稀少!)
ご近所さんが「はーい」とお裾分けくださるなんて、感激してしまいます。

せっかくなので、4種類の火の通し方を試してみました。
(いずれの場合も、硬い部分をハサミで切って、塩でこすって等の下ごしらえは同じ)

私は普通の枝豆をゆでるときは、たいてい厚手の鍋(バーミキュラやルクルーゼなど)で、水をほんの少しだけ入れて、蒸し煮(焼き)のような感じで火を通すのですが、篠山の黒豆はいかんせん個性が強い。
どうするのが一番いいかな、と以下の4種類で試してみました。

①お湯たっぷりでゆでる
②上の方法で蒸し煮(バーミキュラで)
③オーブンでゆっくり焼く
④オイルをかけてオーブンで焼く

いずれの場合も、黒枝豆は普通の枝豆よりはだいぶ時間をかけて火を通します。
ただゆでる場合でも、分数で言えば12分とか、それくらい。
そうでないと、持ち味の甘みが出て来ない。
そもそも豆がとても大きいし、ゆで時間が少ないと、甘みよりも、苦みや渋みの方が表にあるので(ポリフェノールが豊富なのでね。それが、優れた抗酸化作用をもっているのですが!)、しっかり火を通してうまみにしてあげないと食べにくいのです。
②の方法ならば、もう少し時間をかけて。
オーブンの場合はさらに長くします(25〜30分くらい)。

結論から言えば、①②はまあどちらも想定内のおいしさで、黒豆独特のアクをしっかり抜きたければ①の方がいいかな。食べやすく、柔らかくなります。
②の方は①よりもいろいろな味が濃くなります。
(甘みも渋みも。これもまたおいしい)

③はあまりお薦めできない結果でした。
とうもろこしや空豆は、オーブンで皮ごとじっくり焼くの大好きなのですが、黒豆の場合は、アクが抜けないので、ちっともおいしさを引き出せませんでした。

そして、意外なヒットは④でした。
これはめっちゃおいしい!
プーリアのクセの強いオリーブオイルをかけて焼いたのですが、皮がカリカリッとして、中の実はホクホク。黒豆のアクは見事にオイルで中和され、ものすごい甘みが出ていました。
オリーブオイル、すごいなあー。
ワインの瓶が空いてしまったことは言うまでもありません。

黒枝豆のオリーブオイルオーブン焼き、もうそろそろ時期が終わってしまいますが、機会があればぜひやってみてください。
とってもおススメです!

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