料理研究家 濱田美里

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帯合わせ

2018.03.04 │ ブログ

今日はとってもいい天気。
昨日よりも6℃も高いんですって。
日曜日なのでお出かけしたいのですが、来週が締め切りのいくつかの仕事が終わらず?
家で資料を読み込んだり、メニューを作ったり、ウンウンうなっています。

仕事はできるだけ持ち帰らないようにしていたのですが、
先月の自分の誕生日プレゼントに、新しいパソコンを一台買って、
オフィスのマックを家にうつしたので、
自宅で仕事ができるようになってしまった。よいのか悪いのか!

気分転換には、お茶をいれたり、今月の料理教室の帯合わせでも考えたり。
(このブログを書いているのもそうですね?)
先月の帯は写真のように、こっそりスウェーデンカラーにしていました。
お教室の時にもちょっとお話ししたけれど、
私が20代の始めに着物を着始めた大きな理由は、仕事が無くて貧乏で暇だったこと(!)ですが、
もう一つの理由は、旅先の東アフリカで色使いに影響を受けたことでした。
今でも頭が煮詰まると、アフリカの後拍のリズムや、
黒肌に映える民族衣装カンガの色合いを思い出して、
からだのなかに自由な風を流すようにしています。
日本のきものも、堅苦しそうでいて、とっても自由。
若い頃の私は、自国にこんなすてきな伝統衣装があることに救われたものでした。

釜揚げ新子

2018.03.03 │ ブログ

昨日近所のコープに行ったら、シラスのコーナーに「釜揚げ新子」というのが売られていました。
関東のお寿司屋さんで「新子」といえば、コハダのちっちゃい子のことなので、
一瞬頭がハテナに。
そして、材料表記を見たところ・・・。

いかなご!!
少し目を移せば、他の棚にも、前日まではなかった「いかなごのくぎ煮」がたくさん並んでいます。

こういうのを見ると、あー兵庫に越してきたんだなあ、としみじみしますね。
同じ瀬戸内海でも、広島では見たことありませんし、東京ではもちろん。

うれしくて、この時期だけの新子をさっそく買って帰りました。
私は釜あげシラスにオイルをちょっとかけて白ワインを飲むのが好きなのですが、
(昨年9月のお教室でご紹介したレモンオイルはすごくよく合いますよ。
それをパンにたっぷり乗っけるのも美味しい。)
一口つまんだところ、このいかなごのシラスは、いつものイワシのシラスとは段違いの味。
ちょっとおっきくて食べ応えもある。
何かをつけるのがなんだかもったいなくて、そのままいただきました。
まだ半分くらい残っているので、今日はちらし寿司でも作りましょうかねえ。

広島レモンのガトーウィークエンド

2018.03.02 │ ブログ

お世話になった方へのお礼に、
ガトーウィークエンドを焼く。
レモンは広島の実家の庭から。
シンプルな配合ながら、カルピスバターで作るとため息が出るほどおいしい。
今度またコトラボでレッスンしよう。

クネッケブロート

2018.03.01 │ ブログ

2月の六甲教室のオードブルに、
クネッケブロートというスウェーデンのパンを使いました。
パンといっても写真のような感じで、クラッカーのようなパリッとした食感です。

伝統的に、この真ん中の穴に棒を刺して、乾燥させるのだそう。
だからカリッカリで、かなり日持ちがします。
どこのスーパーでもたくさんのメーカーのものが売られているのですが、
私はスウェーデン語が読めないので、悩んだあげく、以下の2つをジャケ買いしました!

デザインが素敵ですよねー。
家に帰って、裏の材料表のスウェーデン語を調べてみたところ、
どうやら上の方は大麦の全粒粉、下の方はライ麦の全粒粉でできているよう。
食べてみた感じは、大麦のクネッケの方が酸味が少し強いです。

お教室ではライ麦の方を使って、あの鉄の皿に円盤状に盛り付けよう♪
と帰りの飛行機の中で決めていたので、
なんとなく北欧の春をイメージした一皿に仕上げましたが、
大麦のクネッケも食べれば食べるほど滋味があって美味しい。
こういう酸味のあるパンって大好きなんです。

決して肥沃とは言えない土地で、何とかとれる穀物を使って作られた主食というと、
日本で言えば十割そばでしょうか。
そう考えるとやはり日本の食文化の根底には豊かな「水」があり、
ヨーロッパの食文化のベースには「窯で焼く」ということがあるんだなあと思いますね。

ドイツのプンパニッケルもそうですが、ライ麦のようなほとんどグルテンを形成しない穀物を使って、
(しかも粉のうちの全量を、全粒粉で!)
日持ちのする風味あふれるパンに仕上げたその知恵に、私は心から敬服します。
そして食べると体の調子が明らかに良くなるのを実感します。
(ふんだんに含まれる食物繊維と酵母のおかげでしょう)

それは、日本の東北地方を取材して、おばあちゃん達から、
ヒエやアワ、高粱などを実にゆたかに食べる知恵を教わった時の感動に似ています。

温かい場所や豊穣から生まれた文化には、
陽気でテンションの上がるたのしみがあり、それも大好きですが、
困難から生み出された豊かな知恵を目の当たりにした時(そして食した時)には、
大きく胸をつかまれて、言葉を失ってしまう。
そこには、これからの時代を心身共に元気に生きていくためのヒントが
たくさん詰まっているようにも感じています。

ヤンソン氏の誘惑

2018.02.28 │ ブログ

気がつけば今日で2月も終わりですね。
今月はインフルエンザが流行っていたので、ヒヤヒヤしました。
そんな中、六甲教室、東京教室どちらの教室も無事終えることができました。
ご参加下さった皆さま、本当にありがとうございます。
私も食べものでしっかり体調管理をしましたよ。

今回の教室で一番の人気だったスウェーデン料理『ヤンソン氏の誘惑』。
現地ではポロネギを使うところを、日本のネギを使って、ここにも風邪予防を入れました。
六甲教室では、いつもウェルカムドリンクにちなんで、その季節のからだの整え方についてのお話をしますが、
レシピの中にもいろいろな中医学の知恵をちりばめています。
それはたとえベトナム料理だろうと、スウェーデン料理だろうと、もちろん和食だってできること。
そのことをぜひ覚えていただきたい、と思っています。
薬膳とか養生というのは生活からはなれた特別なことではないし、料理のジャンルも関係ない。
その知識を持っていれば、どのような形でも暮らしに取り入れることができますし、
そこに料理の基本があれば味を損なうこともありません。
毎月通って下されば、季節に合わせたからだの整え方と調理の基礎を楽しみながら身につけられるー
それが私のレッスンの目指すところです。

ところで『ヤンソン氏の誘惑』という料理名。
先月生徒さんが、「ヤンソンさんって先生のお友達ですかー?」と聞かれたのですが、
いやいやそんな友達いませんよー(^^)
昔、宗教家のヤンソンさんが、ベジタリアンで本来は肉や魚を食べたらいけないのだけど、
あまりにおいしそうな香りがするから食べてしまったというのがこの料理の由来で、
ジャガイモのクリームグラタンにアンチョビが入ります。
ものすごくシンプルな材料で(塩すら入らない)、超簡単な作り方だけど、
しみじみおいしく、懐が深い。

私はこの料理をぜひ本場スウェーデンで食べたいと思っていたのですが、
レストランではなかなかチャンスが無く、ムリかなあとあきらめていました。
それが、お誘いいただいたご家庭のクリスマスパーティで、
キッチンのオーブンの中に入っている料理が
「Jansson’s temptation」だと聞いたときのうれしさと言ったら!
本場の『ヤンソン氏の誘惑』はすごくおいしかったし、
パーティの準備中にオーブンに入れておけば出来上がる気楽さもすごくいいなあと思ったのです。
あの旅で得たいろんなことを皆さんとシェアできて本当によかった。
何か一つでもご家庭で役立てていただけたらと思っています。


料理を教えて下さったスウェーデンのグランマ。

カネルブッレ

2018.02.09 │ ブログ

今週は教室が無いので何をやっているかと言うと、
来週からの教室のレシピの最終調整(何度も何度も作って食べる)や
スタイリングにお花、仕入れの手配、来月のご案内の準備、
コトラボ用のレシピやメニュー、写真撮影に加え、
空いた時間に半襟をつけたり、生徒さんの包丁を研いだりしております。
なんだかんだとスキマ時間を見つけては、
細々したことをさばいていくしかありませんねえ。

きっと生徒さん達も、毎日さまざまな事柄をこなしておられることと思います。
そんな中、「パン作り」というと、すごく大変なことみたいな感じがするけれど、
今月の教室のデザートでお教えするカネルブッレ(シナモンロール)は、
私が提案するパンの作り方の中では最速でできる方法です。

こねる必要は全く無く、計量から焼き上がりまで1時間ちょっとくらいかな。
パン作りに関しては、本当にいろいろな方法があって、
私も時と場合で、やり方をかなり使い分けます。
一番ベーシックなこねて発酵を繰り返して焼く方法は、(こねにホームベーカリーなどの機械を使ったとしても)3時間くらいは見ておかないといけない。
低温で一晩じっくりと発酵させる方法は、実はほっとけばいいので、ある意味時短とは言えるし、すごくおいしいのですが、
今回のようなおやつパンの場合は、粉のうまみをじっくり活かすというよりは、家庭的な手軽さと言うか手早さの方が求められることのような気がするので、
思い立ったらすぐに、そして超簡単に作れる方法にしました。

以前に出した本(『シリコンスチーム型つきパンレシピBOOK』)で大好評を得たレンジで発酵を助ける方法です。
レッスンの時にお話ししますが、配合と作り方の工夫で、それぞれの発酵時間をかなり短縮できるので、相当な時短になります。
ただ、何の料理でもそうですが、無理な負荷をかけて時短をすると、味わいに少しひずみが出る。
でも、そこは妥協せず、このラクさでこの味が出せるなら、というところまでは配合を何度も調整していますので、
(そこが私の腕の見せ所よ?!)
パンを作ったことが無くて「ムリムリー!」と思われる方も、ゆっくり発酵を見守る時間がない方も、
ぜひご家庭で試してみていただきたいなと思います。
とにかくラクチンでおいしくできるから。
今月はスウェーデン式お茶時間(フィーカ)で、甘くてスパイシーな香りをかぎながら、
日々の疲れをとっていただけたらなと思っています。

酒屋さん

2018.02.08 │ ブログ

先日マキさんと六甲道を歩いていたら、
なんだかおいしそうな酒屋さんを発見。

入ってみようか、と扉を開けてみると、
古い店内にずらーっとたくさんのワイン。
右手を見ると、調味料や各国の瓶詰めなど。
「あっ!このみりんがあるよ!」
私が長年愛用しているみりんは、小瓶なら神戸でも手に入るのだけど、
一升瓶がなかなか見つけられなくて、困っていたのでした。
やったー!やっと見つけたー!

うれしくて、みりんの一升瓶をだっこしたまま、
店の奥左手に入ると、
今度は日本酒のパラダイス。
何でしょう、この店は!!

お店の奥さんが、「飲まれますか?」と新酒を2種類、冷蔵庫から出して味見させて下さる。

一口お味見をして、「うわー。あがるー!」
写真左の、真澄のうすにごり、あと3週間くらいしか出回らないらしいのですが、
ものすごくテンションの上がる、華やかな味。
「濁り酒ってちょっとは重ったるいところがあるじゃないですか。
でもこれ、まーったくありませんね。なんかキラキラしてて。おいしいですねー。」
とマキさん。
「うん、おいしいねー。フルーティですっきりしてるー。」
大雪渓の方は、今月末にいらっしゃるお客様が大好きそうなお味なので、
その時に買いにこようと約束。

あーあ、また誘惑の多いお店を見つけちゃったなー?

ビーツ

2018.02.07 │ ブログ

ストックホルムでは、できるだけその土地の人がふつうに買っているであろうもの
(つまりスーパーの一番とりやすい位置に売られていて、なおかつ安いもの)
を手に入れて料理するようにしていました。

肉なら牛か豚か羊の塊、鶏はももなら必ず骨付きで、フィレにした胸の方が高価でした。
魚はほとんど絶望的。市場ヘ行けば別ですが、スーパーだとサーモンかシル(にしん)くらい。
野菜や果物は輸入でかなりのものが手に入りますが(なーんでも。すいかだって、トマトだって)、
「SVENSKA(スウェーデンのもの)」と書かれているものは、
玉ねぎ、細めの人参、多種のジャガイモ、セロリアック、パースニップ(白人参)などの根野菜が多かったかな。
だって、あんなに寒いんだもの。
そんな中で、こんなものが売られていました。↓

始めはこれなんだろう、と思ったのだけど、どこヘ行っても大々的に売られていて、しかもすごく安いんです。(一袋200円台くらい)
あーこれ、生のビーツか、と気付くのに3日くらいかかりました。
(ちなみにビーツはゆでて真空にしたものもたくさん売られていました。それはあの鮮やかな赤色でビーツとすぐわかる状態です。どれも有機なのに低価格で、すごく甘く、切ってサラダや付け合わせにするだけでもいけました。)

ビーツってこんなにおいしいものなんだー。
缶詰のアスパラガスしか食べた事ない人が、新鮮なホワイトアスパラを初めて食べたみたいな衝撃で、
私は生ビーツの魅力にすっかりはまってしまいました。
とくにオーブン焼きが最高。それをスープにすると、えも言われぬ味です。
カボチャやサツマイモのような甘みはありつつ、イモの野暮ったさがない。
すごいわ、この野菜。

今月の料理教室では、この生ビーツのポタージュを皆さんにも味わっていただくつもりです。
先日の商店街で、神戸でもビーツが手に入ることがわかって一安心。
東京にいるときは長野産や北海道産をよく目にしていたので、
コトラボでもやろうかなと思ってます。
おったのしみにー!

節分と伊勢うどん

2018.02.05 │ ブログ

今年の節分はお伊勢さんで迎えました。
神戸から車でたった3時間。
東京にいるときは、すごく遠く感じた紀伊半島が
あっという間で驚きました。

お伊勢参りの後は、お決まりの伊勢うどん。

10年くらい前に初めて伊勢うどんを食べたときは、「何これ!?ゆですぎ?」と思ったのですが、
どのお店に行ってもその食感だったので、どうやらこれが伊勢うどんというものなのか、としりました。
伊勢うどんを食べたことがない人の為に言葉を探すならば、
「のれんにうでおし」
のような食感のうどんなのです。
だけれども、食べていくうちになんだか病みつきになってきて、しまいには大好きになってしまった。
人の警戒心をここまで解き放つ食べものがあるだろうか!

昔の讃岐の人が「コシ」を求め、小麦グルテンの弾性を引き出すことにとことんこだわったとするなら、
伊勢の人は、小麦のデンプンをアルファ化させて、甘みを引き出すことの方に執心したのでしょう。
そのために一方では塩をしっかり加えてこねて寝かし、もう一方ではゆでてゆでて。
両者のうどんは目指す方向性が正反対だけれど、小麦のよいところを全然別のかたちで引き出している。
そのことがすばらしいなあと思うのです。
今ではどちらも大好きだなあ。

ふんわり、とーろり、やさしい食感のうどんをもぐもぐ食べて、
寒さも落ち着いてきた後は、おかげ横町をちょっと歩いて、
マキさんおすすめの赤福ぜんざいでおやつにして、
またサーッと神戸に戻りました。
楽しい小旅行だったなあ。

大安亭市場

2018.02.01 │ ブログ

神戸は雪が舞っています。寒い!
そんな中、今朝は、ご近所のお友達が春日野道の大安亭市場に車で連れて行ってくれました❤️
業者さんが通う市場として、前々から聞いたことはあったのだけど、実際に足を運んだことは無く、
昨晩からものすごく楽しみでした。

「このお店は肩ロースがとてもおススメ。焼くだけですごくおいしい。」
「ここは奥に変わった野菜が並んでます。」
「私はここの鶏肉屋さんを一番信頼してるんですよ。朝びきの鶏がいいの。」
と、一軒一軒ていねいにご案内下さって、
私とマキさんは、キャーこれはおいしそう、めちゃくちゃ安い!、東京では見たことない!と
いちいち大喜び。

八百屋さんでは、プロ向けのツマやハーブなども充実していて、築地を懐かしく思い出しました。
魚よりは肉が強い感じの商店街で、私もいろんな野菜や、お肉、豆腐などをゲット。
その後、是非とおススメの近くの牛肉屋さんで、これまたおススメの「上もつセット」を買って、
(何に使うの?と聞いたら、「これでチゲを作ったらめっちゃおいしい」とのことだったので、やる気に!)
隣のキムチ屋さんにも寄っていただいて、本格白菜キムチ(おばさんがその場で作っておられた)を買いました。

オフィスに戻ってさっそく調理してみたけれど、豆腐はしっかり大豆とにがりの味、
お肉はきれい、キムチもおいしい。
東京で、牛のモツなんてあんまり見たことがないし、買ったことがなかったなあ。
今日の商店街は、どのお肉屋さんにも、普通に新鮮なスジやもつが売られていて、
特に最後のおススメのお店の中では、お兄さん達が、いろんな内臓の部位をきれいにきれいに掃除していらした。
敬意をもって内臓を扱っておられる感じが美しくて、私は見入ってしまいました。

それにしても、どうしてこんなによい食材のお店をたくさん知っているのか尋ねたら、
すべて三ノ宮のおいしいお店の料理人さん達から、仕入れ先を聞いたのだそう。どうりで!
お子さんを送った後にさっと車で買い出しに行って、
市場で本当においしくて新鮮でリーズナブルなものをパパッと手に入れ、
ご家族やご自分の為においしく料理する。
ちゃんと髪を巻きながら、そういう仕事ができる、神戸女子のすてきさよ!
「市場の八百屋さんに置いてあるエディブルフラワーやハーブの色合いからして、やっぱり神戸の料理は違う。
神戸女子はほんとに華やかですねえ。」
と嘆息しているマキさんと一緒に、神戸の奥深さを堪能させてもらいました。
大安亭市場、なかなかディープゾーンですが、素人でも気楽に買い物できるので、おすすめです!

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