料理研究家 濱田美里

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食事パン

2018.03.09 │ ブログ

今月のレッスンは「おつまみの会」なのですが、いつもながらお酒は無いんです。
(恵比寿ではよく生徒さんに「お酒を〜!!クーッ!!」と叫ばれましたねえ。懐かしいね?)
その代わり?と言ってはなんですが、米粉のパンを焼きました。
アヒージョにつけるパンが欲しいし、お酒に合わせてほんの少し濃いめに味付けした料理もあるので合いの手に。
今回は、小麦は九州、米粉は岡山、酵母は白神こだま酵母を使っています。

ちなみに先月のパンは、スウェーデンの「アークティックブレッド」という素朴なパンを真似して焼いたもの。
ライ麦をちょっと配合しています。
「えー、先生が焼いたのー?」
といつも驚かれるのですが、買いに行くよりも作った方がラク。(神戸坂道多すぎ!)
料理に合わせて、どんなパン焼こうかなあ、と考えるのも楽しみです。
ベースは同じだし、たいして大変ではないので、いつか食事パンのレッスンもできるといいですね。

アサリ

2018.03.08 │ ブログ

朝、レッスンの準備をしながら世間話をしていたら、スタッフのマキさんが言う。

「ぜんぜん関係ない話してもいいですか。
アサリってー、極まりなく気の抜けた生き物ですよね。」
「え?」
「冷蔵庫で砂出ししてたら、カタカタカタカタしゃべってるじゃないですかー。
それで私が急にボウルのふたを開けたら、一歩遅れて気付くんですよねー。
それで、ピューピュー突き出してる口をしまい忘れて、カチャッって舌噛んでるんですよ、いっつも。
気ぃ抜き過ぎですから。
そんなアサリが好きですけど。」

って言うか、そんなあなたが好きよ。

淡路島のシュークリーム

2018.03.07 │ ブログ

淡路島のお菓子をいただきました。
弁天堂さんのもの。
ていねいな優しいお味。

甘酒を作った炊飯器のその後

2018.03.06 │ ブログ

今日から3月の料理教室が始まり、にぎやかな時間を過ごしています。
今月のデザートはイチゴと甘酒のジェラートなのですが、
生徒さんから興味深いお話を伺いました。

まず、手作り甘酒について。
甘酒を作るとき、ここ8年くらい、わたしは「ドラッピー」という乾燥機(干し野菜とか干物とか作れる)を使っています。


(写真の一番左の機械)

60℃までの温度設定と時間設定ができるので、ほったらかしで完璧なできばえな上、
大きいので大量に仕込めるし、一緒に塩麹なんかも作ってしまえて、大変便利。
なので神戸に引っ越してきてから、自宅で作ろうと思った時に
「あーん、ドラッピーがないんだー(><)」と困ってしまいました。

まあ55〜60度を保ちさせすればいいので、なんだってよく、
デロンギのオーブンで2回くらい作ってみました。
味は良かったけれど、2時間しかタイマーが効かないので、2時間経ったらまた回さなくてはいけないのが、
なんとも面倒。

次は久しぶりに炊飯器の保温機能。
こちらは、おかゆを炊くのもそのままできるので便利といえばとても便利。
ただ、機種によっては、温度管理が意外に難しいんです。
(「保温」機能は、温度を保つために、機械が時々加熱してしまうので、温度が上がり過ぎて発酵が上手くいかないことがある→そういう時は大抵黄色くなり、甘みが十分に出ない)
若い頃にその失敗は何度かしたことがあるので、試行錯誤の上にわたしが一番うまくいくなと思っているのは以下の方法。
フタを開けて内釜にぬれぶきんをかけ(フタとの間に挟む感じ)、さらにフタの上にも絞ったフキン(雑巾くらいの厚みが望ましい。適度な重さでフタを抑えてくれるから)を置いておくのです。
この方法なら、フタは開けっぱなしだけど、フタの上にもぬれぶきんを置いているから乾燥しないし、温度も下がりすぎない。もちろん温度も上がり過ぎない。これで8時間くらい保温しておけば、大抵うまくいくので、夜セットしておけば、朝には出来上がっています。

それを今日生徒さんにもお話しようと思っていたら、
なんと衝撃的なお話を伺いました。

生徒さんのお一人が炊飯器で甘酒を作ったところ、
その後炊いた普通のごはんが、「甘酒化」してしまう、とおっしゃるのです。
ごはんをすぐに食べれば大丈夫だけど、冷やごはんになると、たとえ別容器に移してもベトベトになっていくのだそう。
何度もそんなことが起こるのでネットで調べてみたら、一度使った麹菌の影響が強すぎたせいでそうなることがあるとの情報がたくさんあり、その炊飯器はごはんを炊くのに使えなくなったそうなのです。
本当ですか!!??
わたしはそのような話を初めて伺ったのですが、(ちなみにわたしは家で炊飯器を使ってごはんを炊くことがほとんど無いので気がつきませんでした)
そのような経験がある方、いらっしゃいます?
本当にびっくり。
(その方がその炊飯器で甘酒を作ったのはたった2回なのだそうです!)

あ、甘酒のレシピに関しては、過去のブログ記事に書いてましたね。よろしければ、ご参考までに。

コトラボ2月のご報告と4月のご案内

2018.03.05 │ いままでのメニュー ブログ

2月24日に、東京のコトラボ教室で2講座を行いました。
スウェーデン料理と、抹茶の米粉ロールケーキ。
コトラボでの講習もこれで3回目、すっかり慣れてまいりましたよ。

恵比寿時代からの生徒さんに加え、コトラボで初めてお会いして、
続けて通ってくださるようになった方達も増えてきて、
本当に嬉しい限りです。
どうもありがとうございます!!

さて、4月の募集も始まりました。
来月は再び和食です。基礎から丁寧にお教えしますね。
それから、第2部の方では米粉ベーグルを作ります。
コトラボでパンをやるのは初めてですね。
オーブンがたくさんあるので、いろんなことにチャレンジできます!
よもぎと桜いちごの2種類作りますので、お楽しみに〜?

詳しくはこちらから↓
濱田美里さんの、基礎から教わる 華やか和食膳 〜ごちそう鯛めし&揚げたけのこの翡翠あんかけほか〜
濱田美里さんに教わり、作って、持って帰れる♪「米粉のミニベーグル いちご桜風味&よもぎ風味」

帯合わせ

2018.03.04 │ ブログ

今日はとってもいい天気。
昨日よりも6℃も高いんですって。
日曜日なのでお出かけしたいのですが、来週が締め切りのいくつかの仕事が終わらず?
家で資料を読み込んだり、メニューを作ったり、ウンウンうなっています。

仕事はできるだけ持ち帰らないようにしていたのですが、
先月の自分の誕生日プレゼントに、新しいパソコンを一台買って、
オフィスのマックを家にうつしたので、
自宅で仕事ができるようになってしまった。よいのか悪いのか!

気分転換には、お茶をいれたり、今月の料理教室の帯合わせでも考えたり。
(このブログを書いているのもそうですね?)
先月の帯は写真のように、こっそりスウェーデンカラーにしていました。
お教室の時にもちょっとお話ししたけれど、
私が20代の始めに着物を着始めた大きな理由は、仕事が無くて貧乏で暇だったこと(!)ですが、
もう一つの理由は、旅先の東アフリカで色使いに影響を受けたことでした。
今でも頭が煮詰まると、アフリカの後拍のリズムや、
黒肌に映える民族衣装カンガの色合いを思い出して、
からだのなかに自由な風を流すようにしています。
日本のきものも、堅苦しそうでいて、とっても自由。
若い頃の私は、自国にこんなすてきな伝統衣装があることに救われたものでした。

釜揚げ新子

2018.03.03 │ ブログ

昨日近所のコープに行ったら、シラスのコーナーに「釜揚げ新子」というのが売られていました。
関東のお寿司屋さんで「新子」といえば、コハダのちっちゃい子のことなので、
一瞬頭がハテナに。
そして、材料表記を見たところ・・・。

いかなご!!
少し目を移せば、他の棚にも、前日まではなかった「いかなごのくぎ煮」がたくさん並んでいます。

こういうのを見ると、あー兵庫に越してきたんだなあ、としみじみしますね。
同じ瀬戸内海でも、広島では見たことありませんし、東京ではもちろん。

うれしくて、この時期だけの新子をさっそく買って帰りました。
私は釜あげシラスにオイルをちょっとかけて白ワインを飲むのが好きなのですが、
(昨年9月のお教室でご紹介したレモンオイルはすごくよく合いますよ。
それをパンにたっぷり乗っけるのも美味しい。)
一口つまんだところ、このいかなごのシラスは、いつものイワシのシラスとは段違いの味。
ちょっとおっきくて食べ応えもある。
何かをつけるのがなんだかもったいなくて、そのままいただきました。
まだ半分くらい残っているので、今日はちらし寿司でも作りましょうかねえ。

広島レモンのガトーウィークエンド

2018.03.02 │ ブログ

お世話になった方へのお礼に、
ガトーウィークエンドを焼く。
レモンは広島の実家の庭から。
シンプルな配合ながら、カルピスバターで作るとため息が出るほどおいしい。
今度またコトラボでレッスンしよう。

クネッケブロート

2018.03.01 │ ブログ

2月の六甲教室のオードブルに、
クネッケブロートというスウェーデンのパンを使いました。
パンといっても写真のような感じで、クラッカーのようなパリッとした食感です。

伝統的に、この真ん中の穴に棒を刺して、乾燥させるのだそう。
だからカリッカリで、かなり日持ちがします。
どこのスーパーでもたくさんのメーカーのものが売られているのですが、
私はスウェーデン語が読めないので、悩んだあげく、以下の2つをジャケ買いしました!

デザインが素敵ですよねー。
家に帰って、裏の材料表のスウェーデン語を調べてみたところ、
どうやら上の方は大麦の全粒粉、下の方はライ麦の全粒粉でできているよう。
食べてみた感じは、大麦のクネッケの方が酸味が少し強いです。

お教室ではライ麦の方を使って、あの鉄の皿に円盤状に盛り付けよう♪
と帰りの飛行機の中で決めていたので、
なんとなく北欧の春をイメージした一皿に仕上げましたが、
大麦のクネッケも食べれば食べるほど滋味があって美味しい。
こういう酸味のあるパンって大好きなんです。

決して肥沃とは言えない土地で、何とかとれる穀物を使って作られた主食というと、
日本で言えば十割そばでしょうか。
そう考えるとやはり日本の食文化の根底には豊かな「水」があり、
ヨーロッパの食文化のベースには「窯で焼く」ということがあるんだなあと思いますね。

ドイツのプンパニッケルもそうですが、ライ麦のようなほとんどグルテンを形成しない穀物を使って、
(しかも粉のうちの全量を、全粒粉で!)
日持ちのする風味あふれるパンに仕上げたその知恵に、私は心から敬服します。
そして食べると体の調子が明らかに良くなるのを実感します。
(ふんだんに含まれる食物繊維と酵母のおかげでしょう)

それは、日本の東北地方を取材して、おばあちゃん達から、
ヒエやアワ、高粱などを実にゆたかに食べる知恵を教わった時の感動に似ています。

温かい場所や豊穣から生まれた文化には、
陽気でテンションの上がるたのしみがあり、それも大好きですが、
困難から生み出された豊かな知恵を目の当たりにした時(そして食した時)には、
大きく胸をつかまれて、言葉を失ってしまう。
そこには、これからの時代を心身共に元気に生きていくためのヒントが
たくさん詰まっているようにも感じています。

ヤンソン氏の誘惑

2018.02.28 │ ブログ

気がつけば今日で2月も終わりですね。
今月はインフルエンザが流行っていたので、ヒヤヒヤしました。
そんな中、六甲教室、東京教室どちらの教室も無事終えることができました。
ご参加下さった皆さま、本当にありがとうございます。
私も食べものでしっかり体調管理をしましたよ。

今回の教室で一番の人気だったスウェーデン料理『ヤンソン氏の誘惑』。
現地ではポロネギを使うところを、日本のネギを使って、ここにも風邪予防を入れました。
六甲教室では、いつもウェルカムドリンクにちなんで、その季節のからだの整え方についてのお話をしますが、
レシピの中にもいろいろな中医学の知恵をちりばめています。
それはたとえベトナム料理だろうと、スウェーデン料理だろうと、もちろん和食だってできること。
そのことをぜひ覚えていただきたい、と思っています。
薬膳とか養生というのは生活からはなれた特別なことではないし、料理のジャンルも関係ない。
その知識を持っていれば、どのような形でも暮らしに取り入れることができますし、
そこに料理の基本があれば味を損なうこともありません。
毎月通って下されば、季節に合わせたからだの整え方と調理の基礎を楽しみながら身につけられるー
それが私のレッスンの目指すところです。

ところで『ヤンソン氏の誘惑』という料理名。
先月生徒さんが、「ヤンソンさんって先生のお友達ですかー?」と聞かれたのですが、
いやいやそんな友達いませんよー(^^)
昔、宗教家のヤンソンさんが、ベジタリアンで本来は肉や魚を食べたらいけないのだけど、
あまりにおいしそうな香りがするから食べてしまったというのがこの料理の由来で、
ジャガイモのクリームグラタンにアンチョビが入ります。
ものすごくシンプルな材料で(塩すら入らない)、超簡単な作り方だけど、
しみじみおいしく、懐が深い。

私はこの料理をぜひ本場スウェーデンで食べたいと思っていたのですが、
レストランではなかなかチャンスが無く、ムリかなあとあきらめていました。
それが、お誘いいただいたご家庭のクリスマスパーティで、
キッチンのオーブンの中に入っている料理が
「Jansson’s temptation」だと聞いたときのうれしさと言ったら!
本場の『ヤンソン氏の誘惑』はすごくおいしかったし、
パーティの準備中にオーブンに入れておけば出来上がる気楽さもすごくいいなあと思ったのです。
あの旅で得たいろんなことを皆さんとシェアできて本当によかった。
何か一つでもご家庭で役立てていただけたらと思っています。


料理を教えて下さったスウェーデンのグランマ。

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