料理研究家 濱田美里

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カネルブッレ

2018.02.09 │ ブログ

今週は教室が無いので何をやっているかと言うと、
来週からの教室のレシピの最終調整(何度も何度も作って食べる)や
スタイリングにお花、仕入れの手配、来月のご案内の準備、
コトラボ用のレシピやメニュー、写真撮影に加え、
空いた時間に半襟をつけたり、生徒さんの包丁を研いだりしております。
なんだかんだとスキマ時間を見つけては、
細々したことをさばいていくしかありませんねえ。

きっと生徒さん達も、毎日さまざまな事柄をこなしておられることと思います。
そんな中、「パン作り」というと、すごく大変なことみたいな感じがするけれど、
今月の教室のデザートでお教えするカネルブッレ(シナモンロール)は、
私が提案するパンの作り方の中では最速でできる方法です。

こねる必要は全く無く、計量から焼き上がりまで1時間ちょっとくらいかな。
パン作りに関しては、本当にいろいろな方法があって、
私も時と場合で、やり方をかなり使い分けます。
一番ベーシックなこねて発酵を繰り返して焼く方法は、(こねにホームベーカリーなどの機械を使ったとしても)3時間くらいは見ておかないといけない。
低温で一晩じっくりと発酵させる方法は、実はほっとけばいいので、ある意味時短とは言えるし、すごくおいしいのですが、
今回のようなおやつパンの場合は、粉のうまみをじっくり活かすというよりは、家庭的な手軽さと言うか手早さの方が求められることのような気がするので、
思い立ったらすぐに、そして超簡単に作れる方法にしました。

以前に出した本(『シリコンスチーム型つきパンレシピBOOK』)で大好評を得たレンジで発酵を助ける方法です。
レッスンの時にお話ししますが、配合と作り方の工夫で、それぞれの発酵時間をかなり短縮できるので、相当な時短になります。
ただ、何の料理でもそうですが、無理な負荷をかけて時短をすると、味わいに少しひずみが出る。
でも、そこは妥協せず、このラクさでこの味が出せるなら、というところまでは配合を何度も調整していますので、
(そこが私の腕の見せ所よ?!)
パンを作ったことが無くて「ムリムリー!」と思われる方も、ゆっくり発酵を見守る時間がない方も、
ぜひご家庭で試してみていただきたいなと思います。
とにかくラクチンでおいしくできるから。
今月はスウェーデン式お茶時間(フィーカ)で、甘くてスパイシーな香りをかぎながら、
日々の疲れをとっていただけたらなと思っています。

酒屋さん

2018.02.08 │ ブログ

先日マキさんと六甲道を歩いていたら、
なんだかおいしそうな酒屋さんを発見。

入ってみようか、と扉を開けてみると、
古い店内にずらーっとたくさんのワイン。
右手を見ると、調味料や各国の瓶詰めなど。
「あっ!このみりんがあるよ!」
私が長年愛用しているみりんは、小瓶なら神戸でも手に入るのだけど、
一升瓶がなかなか見つけられなくて、困っていたのでした。
やったー!やっと見つけたー!

うれしくて、みりんの一升瓶をだっこしたまま、
店の奥左手に入ると、
今度は日本酒のパラダイス。
何でしょう、この店は!!

お店の奥さんが、「飲まれますか?」と新酒を2種類、冷蔵庫から出して味見させて下さる。

一口お味見をして、「うわー。あがるー!」
写真左の、真澄のうすにごり、あと3週間くらいしか出回らないらしいのですが、
ものすごくテンションの上がる、華やかな味。
「濁り酒ってちょっとは重ったるいところがあるじゃないですか。
でもこれ、まーったくありませんね。なんかキラキラしてて。おいしいですねー。」
とマキさん。
「うん、おいしいねー。フルーティですっきりしてるー。」
大雪渓の方は、今月末にいらっしゃるお客様が大好きそうなお味なので、
その時に買いにこようと約束。

あーあ、また誘惑の多いお店を見つけちゃったなー?

ビーツ

2018.02.07 │ ブログ

ストックホルムでは、できるだけその土地の人がふつうに買っているであろうもの
(つまりスーパーの一番とりやすい位置に売られていて、なおかつ安いもの)
を手に入れて料理するようにしていました。

肉なら牛か豚か羊の塊、鶏はももなら必ず骨付きで、フィレにした胸の方が高価でした。
魚はほとんど絶望的。市場ヘ行けば別ですが、スーパーだとサーモンかシル(にしん)くらい。
野菜や果物は輸入でかなりのものが手に入りますが(なーんでも。すいかだって、トマトだって)、
「SVENSKA(スウェーデンのもの)」と書かれているものは、
玉ねぎ、細めの人参、多種のジャガイモ、セロリアック、パースニップ(白人参)などの根野菜が多かったかな。
だって、あんなに寒いんだもの。
そんな中で、こんなものが売られていました。↓

始めはこれなんだろう、と思ったのだけど、どこヘ行っても大々的に売られていて、しかもすごく安いんです。(一袋200円台くらい)
あーこれ、生のビーツか、と気付くのに3日くらいかかりました。
(ちなみにビーツはゆでて真空にしたものもたくさん売られていました。それはあの鮮やかな赤色でビーツとすぐわかる状態です。どれも有機なのに低価格で、すごく甘く、切ってサラダや付け合わせにするだけでもいけました。)

ビーツってこんなにおいしいものなんだー。
缶詰のアスパラガスしか食べた事ない人が、新鮮なホワイトアスパラを初めて食べたみたいな衝撃で、
私は生ビーツの魅力にすっかりはまってしまいました。
とくにオーブン焼きが最高。それをスープにすると、えも言われぬ味です。
カボチャやサツマイモのような甘みはありつつ、イモの野暮ったさがない。
すごいわ、この野菜。

今月の料理教室では、この生ビーツのポタージュを皆さんにも味わっていただくつもりです。
先日の商店街で、神戸でもビーツが手に入ることがわかって一安心。
東京にいるときは長野産や北海道産をよく目にしていたので、
コトラボでもやろうかなと思ってます。
おったのしみにー!

節分と伊勢うどん

2018.02.05 │ ブログ

今年の節分はお伊勢さんで迎えました。
神戸から車でたった3時間。
東京にいるときは、すごく遠く感じた紀伊半島が
あっという間で驚きました。

お伊勢参りの後は、お決まりの伊勢うどん。

10年くらい前に初めて伊勢うどんを食べたときは、「何これ!?ゆですぎ?」と思ったのですが、
どのお店に行ってもその食感だったので、どうやらこれが伊勢うどんというものなのか、としりました。
伊勢うどんを食べたことがない人の為に言葉を探すならば、
「のれんにうでおし」
のような食感のうどんなのです。
だけれども、食べていくうちになんだか病みつきになってきて、しまいには大好きになってしまった。
人の警戒心をここまで解き放つ食べものがあるだろうか!

昔の讃岐の人が「コシ」を求め、小麦グルテンの弾性を引き出すことにとことんこだわったとするなら、
伊勢の人は、小麦のデンプンをアルファ化させて、甘みを引き出すことの方に執心したのでしょう。
そのために一方では塩をしっかり加えてこねて寝かし、もう一方ではゆでてゆでて。
両者のうどんは目指す方向性が正反対だけれど、小麦のよいところを全然別のかたちで引き出している。
そのことがすばらしいなあと思うのです。
今ではどちらも大好きだなあ。

ふんわり、とーろり、やさしい食感のうどんをもぐもぐ食べて、
寒さも落ち着いてきた後は、おかげ横町をちょっと歩いて、
マキさんおすすめの赤福ぜんざいでおやつにして、
またサーッと神戸に戻りました。
楽しい小旅行だったなあ。

大安亭市場

2018.02.01 │ ブログ

神戸は雪が舞っています。寒い!
そんな中、今朝は、ご近所のお友達が春日野道の大安亭市場に車で連れて行ってくれました❤️
業者さんが通う市場として、前々から聞いたことはあったのだけど、実際に足を運んだことは無く、
昨晩からものすごく楽しみでした。

「このお店は肩ロースがとてもおススメ。焼くだけですごくおいしい。」
「ここは奥に変わった野菜が並んでます。」
「私はここの鶏肉屋さんを一番信頼してるんですよ。朝びきの鶏がいいの。」
と、一軒一軒ていねいにご案内下さって、
私とマキさんは、キャーこれはおいしそう、めちゃくちゃ安い!、東京では見たことない!と
いちいち大喜び。

八百屋さんでは、プロ向けのツマやハーブなども充実していて、築地を懐かしく思い出しました。
魚よりは肉が強い感じの商店街で、私もいろんな野菜や、お肉、豆腐などをゲット。
その後、是非とおススメの近くの牛肉屋さんで、これまたおススメの「上もつセット」を買って、
(何に使うの?と聞いたら、「これでチゲを作ったらめっちゃおいしい」とのことだったので、やる気に!)
隣のキムチ屋さんにも寄っていただいて、本格白菜キムチ(おばさんがその場で作っておられた)を買いました。

オフィスに戻ってさっそく調理してみたけれど、豆腐はしっかり大豆とにがりの味、
お肉はきれい、キムチもおいしい。
東京で、牛のモツなんてあんまり見たことがないし、買ったことがなかったなあ。
今日の商店街は、どのお肉屋さんにも、普通に新鮮なスジやもつが売られていて、
特に最後のおススメのお店の中では、お兄さん達が、いろんな内臓の部位をきれいにきれいに掃除していらした。
敬意をもって内臓を扱っておられる感じが美しくて、私は見入ってしまいました。

それにしても、どうしてこんなによい食材のお店をたくさん知っているのか尋ねたら、
すべて三ノ宮のおいしいお店の料理人さん達から、仕入れ先を聞いたのだそう。どうりで!
お子さんを送った後にさっと車で買い出しに行って、
市場で本当においしくて新鮮でリーズナブルなものをパパッと手に入れ、
ご家族やご自分の為においしく料理する。
ちゃんと髪を巻きながら、そういう仕事ができる、神戸女子のすてきさよ!
「市場の八百屋さんに置いてあるエディブルフラワーやハーブの色合いからして、やっぱり神戸の料理は違う。
神戸女子はほんとに華やかですねえ。」
と嘆息しているマキさんと一緒に、神戸の奥深さを堪能させてもらいました。
大安亭市場、なかなかディープゾーンですが、素人でも気楽に買い物できるので、おすすめです!

コトラボ1月

2018.01.31 │ いままでのメニュー ブログ

先週土曜日に、東京教室が終わりましたー!

12月に初めてコトラボで2講座行った際、
朝一の飛行機で日帰りをして、クッタクタになってしまったので、
(そういえばあのときは、足をねんざしていたんです?)
今月は前泊しました。
前の日の夜に、大学のOG達とちょっと飲み過ぎたけど(笑)、
大好きなホテルでチャージをして向かいましたので、
講義はしっかりできたかなーと思っています。

ベトナムの会は、以前からの生徒さんが多かったせいもあって、
なんだか恵比寿の頃みたいだねーと、あの頃のような距離感で、
皆さんのお顔を見ながらデモンストレーションをし、
テキパキと実習。
最近のこととか、旅のこととか、食べもののことなどワイワイ話し、
一緒に試食をしました。
神戸ではお教えしていないハノイの揚げ春巻きと野菜入りのヌックチャムも作れて、
初めての味や組み合わせを、皆さんとっても楽しんでくださっていて、
なんだかホームパーティのような気分でした。

ケーキの方は、たくさんのコツや科学をしっかりとお伝えしたかったので、
すごく集中して講義しましたが、
皆さまガッツリとキャッチしてくださったのでは。
独特の方法で焼く、ふんわりしっとりとしたケーキが
10台もあるオーブンから次々と焼き上がる様は圧巻でした。
(写真撮るの忘れていて後悔?)
どなたのケーキもすごく上手にできていて、
「このレベルのものが自分でも焼けるんだって思ったら、
家でもぜひまた作ってみたいと思えます。」
「今まで自分が焼いていたパウンドケーキとは段違い。」
「“なぜ”ということや大事なポイントをしっかり教えて下さったから、これまでの失敗の理由がよくわかりました。」
などなどうれしいお言葉をたくさんいただきました。

私はパウンドケーキを作るのが好きで、子供の頃からずっと焼いてきました。
でも、やればやるほどわからないことや納得がいかないことがたくさんありました。
数年前から、技術だけではなく理論の方に積極的にアプローチするようになって、
「ああそうか。」と、たくさんのことが腑に落ち、自分のものとなったので、
ぜひそれを皆さんにもお伝えしたいと思って講義しました。
もちろん1度の講義ではすべてお伝えすることは出来ないけれど、
それでも私のレッスンを受けた生徒さんのお顔が晴れやかになって、
わからないことが少しでもわかるようになったり、
できなかったことができるようになるお姿を見ると、
本当にうれしくてたまりません。

コトラボ教室は3月はお休みをいただく予定ですが、
2月には「スウェーデン料理」「和の米粉ロールケーキ」講習でまた上京しますので、
ぜひぜひご参加下さいませ。
どちらも、何か新しい発見につながるようなレッスンに出来るよう、
しっかり準備してまいりますね。
お会いできるのを楽しみにしています。

目の変化

2018.01.26 │ ブログ

東京にて、お打ち合わせのハシゴ。
次のお約束まで、水道橋で少し時間があるので、
久しぶりに器のお店をのぞく。
広くなった店内で、たくさんの作品を眺めながら、
和食器のあいまいなフォルムを
目が掴みかねていることに驚く。
(イヤ、というわけではなく、戸惑っている感じ)
私、神戸に行って、そんなにも美意識が変わっただろうか。
この違和感は何?
としばらく歩いて気がついた!
ストックホルムでモダンデザインばかり見ていたからだ。
目ってこんなにも影響を受けやすいものなのか、と思うけれど、たぶんそれは、味覚だって、聴覚だって同じ気がする。
西洋の人が和のものをからだで味わうには、
すごく独特なルールというか、
ゆがみのようなものが必要だろう。
逆に、日本人の私が、クラシックの声楽にかなりのめりこんでいた時の
いつまでたってもやはり核心には到達しえない感じも思い出した。

ロットの葉

2018.01.24 │ ブログ

神戸は今朝から鬼のように寒くなりました!
そんな中、お教室にいらしてくださり、本当にありがとうございます。
今月のウェルカムドリンクはスウェーデンの極寒の空のもとで飲んだグリューなので、
まずはそれでゆるんでいただいて、気分をベトナムへー。

写真の葉っぱは「ロットの葉」。
ベトナムでは「ラ・ロット」と呼ばれていました。
これで肉を包んで焼いて食べるのですが、えも言われぬ独特の香りと風味で、
わあおいしいものだなあ、と感動しました。

ただ、日本ではとても手に入れることができず、
(レッスンでは東京のベトナム食材屋さんから送っていただきました。)
おうちでそのまま作ることは難しいので、どうしようかなあと思ったのですが、
ぜひこの味や香りを味わっていただきたかったので、
メニューに入れました。
旅ごはん、おみやげごはんなので、
「異国の空気を一緒に味わってねー。」という気持ちでメニューを組み立てています。

明日で神戸の教室は終わりますが、皆さんが新しい香りや味の組み合わせを楽しんでくださっているのを
とてもうれしく眺めています。

東京はもっと寒い日が続いているとか!
コトラボでも皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。


↑ハノイっ子チャンさんのキッチンで。

嶋屋のポテト

2018.01.23 │ ブログ

差し入れにいただいた大学芋。
大阪の嶋屋さんのもの。
ほっこりやさしく、ふっくら上品。
関西はおいしいものがいっぱいあるなー。
食べすぎちゃうのがたまに傷!

(シナモンパウダーとジンジャーパウダーをふってみたら、
めっちゃコーヒーと合う!)


ベトナムふたたび

2018.01.18 │ ブログ

昨日から、1月の料理教室が始まりました。
ベトナム料理です!
日本に帰って来てから、ずいぶんと寒い日が続いていたので、
(先週は神戸も1℃くらいでストックホルムと変わらなかった!)
ベトナム料理店や中華街へ行ってみたりしながら、なんとか感覚を東南アジアに戻しましたー。

そして今やうちのオフィスは魚醤とスパイスとハーブの香りプンプン。
極寒くもり空の欧州から、湿り気があってぬるい空気の国へと戻ってきましたよ。

今回お教えする「チャー・カー」は、日本ではほとんど食べる機会のない料理だと思います。
言葉では形容することの出来ない新しい味に香り、組み合わせ。
レッスンに参加下さったみなさんが感激されたり、喜ばれたりする姿を見て、
「お教えできてよかったわー。」と大満足の私。

レシピ最終調整の為に、ここ1週間毎日のようにチャー・カーを食べている私とマキさんですが、
いっぱい油をとっても、全然太らないのですよ、これが。
レッスンでもその秘密をしっかりお話ししますね!
神戸ではあと4日間、そして東京でお会いする皆さんも、楽しみにしていてくださいね。
150年もの歴史がありながら、斬新で、ハッとするお料理、
からだで感じる発見がたくさんあると思います。

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