料理研究家 濱田美里

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十戸のだんごの粉

2017.06.20 │ ブログ

但馬で買ってきただんごの粉がすごい!
こねてゆでただけですが、おいしすぎるー。

もっちもちのコシと粘り、そしてみずみずしいツルルンとした食感。
「わあ。あのおそば屋さんの水の味がしますねー。あの景色がバーッて思い浮かびますね。」
とマキさん。

この「十戸のだんごの粉」はおそば屋さんのそばにあった「田中製粉所」のもので、知る人ぞ知るの存在みたい。
あのきれいな涌水を使って石臼で丁寧にひかれたものらしく、お店の方は
「2年は変質せずにもちます。」
とおっしゃっていました。
伺うと、地方発送もなく、お店まで買いに行くしか手に入れる方法が無いのだそう。
(しかも4月から8月までしか売られていない!)
たまたま訪れたのが6月でラッキーでした。

今日合わせたのは一緒に買ってきたきな粉と、愛知の黒みりん。
日本全国、まだまだ知らない美味がありますねー。

瀬戸内海パエリヤ

2017.06.19 │ ブログ

瀬戸内海パエリヤ最終調整中。
明石の生ダコがめっちゃおいしい!
(六甲でも生きたタコが手に入るんです。うれしい><)
ふんわりやわらかくていくらでも食べたい味。

いろいろなうまみをかけ合わせるパエリヤは
ただのタコ飯より、鯛飯より、グッとごちそうになります。

あさってからの教室、まだ残席があるので、
ぜひいらして!
フライパンでも炊飯器でもできるよ。

豊岡へ

2017.06.18 │ ブログ

昨日は但馬まで足を伸ばしました。
兵庫は広いですねー。

車で北へ北へと進むと、モクモクとした山や田んぼが続き、
『丹波市』と看板が見えてきました。
なんと栗の絵が描かれています!
ああ、ここが丹波かー。私の愛する栗と豆がこの土地からうまれるんだー。

さらに北へと進みます。
『豊岡市』に入りました。
江原駅そばの「gumpy(ガンピー)穀物倉庫」というスーパーへ。

ここはただのスーパーマーケットではありません。
置いてある商品の品揃えがすごい!
とても鮮度のいい野菜に魚、名産の但馬牛もそろっていて、
おやつや調味料も子どもが食べても安心なものをという視点で選ばれています。


甘酒だけでこれだけの品揃え!
近くにあったらうれしいなあと思うようなお店です。

今回は、ガンピーの稲垣さんにお話を色々伺ってきました。

現在、但馬に住むプロの農家さん達が、
できるだけチッソ(野菜を早く大きくするために使われる)を使わず、
環境に負荷をかける農薬も控えながら、
試行錯誤して野菜を育てておられるのだそう。
その道のりに伴走するように、
「愛ある食卓」づくりと「地域貢献」のために走り回っておられます。

私は仕事柄、全国で生産者の方達とお会いする機会がありますが、
農業というのは、大変ながらも、本当にクリエイティブで可能性の大きなお仕事だと思います。
何の職業でもそうですが、続けていくには、
「子どもの学費が支払えるだけの生計がたつこと」に加え、
「自分の仕事に誇りが持てること」がやはり大切で、
稲垣さん達はそのどちらもをプロの小売り流通業として支えておられるのだと思いました。

できない言い訳をしないで、志を持って仕事をしておられる方々とお会いしては、
目を覚まされ、元気をいただく私です。

さてお昼ごはん。
少し車を走らせて、「寿楽庵」さんでおそばをいただきました。

小さなお皿に何枚ものゆでたてそばが運ばれてきました。

いっくらでも食べられます。
これはそばに対する褒め言葉になるのかどうかわからないのですが、
ひたすら水の味がするおそばなんです。(水っぽいと言うことではありません)
おそばもつゆもそば湯もお茶も、全部水がおいしい!ものすごくおいしい!
神戸に引っ越して、東京よりも水がやわらかいと思ったけれど、
その比ではありません。
何の引っかかりもないなめらかなお水。ため息がでるほどおいしい!!!
この水のおいしさを、そばで見事に表現しておられました。

ああ、「川の上流で農業をする人が薬を多用してしまうと、全部に影響を与えてしまうんですよ。だから、みんなで気をつけるんです。」
というお言葉は、この水を守るためなのですね。

また季節が変わった頃に訪れたいと思います。


(ガンピーの稲垣さんと)

明石へ

2017.06.16 │ ブログ

一年ぶりに明石に行ってきました。
去年、取材で訪れて以来のこと。

私は明石の「魚の棚商店街」がとても好きです。
たくさん昼どれ(!)のピチピチ魚が並んでいて楽しいです。その中でも、たなか酒店さんは別格。
お店に置いてある日本酒やワインだけでなく、調味料の品揃えを見ただけで、目利きの確かさが伝わります。

この酒屋さんの奥に、ものすごい立ち飲み屋さんがあるんです。
五時の開店とともに満員の大盛況。
それもそのはず、たなかやさんならではの、おいしい日本酒にワイン、そして大鉢に盛られたセンスのいいおつまみ。
お酒を愛し、食べることが大好きな人たちが、老若男女、次々とやってきます。

『ウスケボーイズ』という本を読んで以来、ちょっと国産ワインにはまっている私は勝沼の白ワインを、マキさんはビックリするほどバランスのいいマッコリ(ちょっと飲ませてもらった)など飲んで、穴子入りのだし巻きや、スパイシーなかぼちゃや、イワシの煮たの(これにもちらっとスパイスが効いていた)や、ホタテのトマトわた焼き(最高にお酒が進む)やら、ミートローフやら、あれこれいただいて、帰ってきました。おいしくて、幸せな時間だったー。

とまあ、遊んでいるようですが、仕事もしておりまして?、来週のお教室の瀬戸内海パエリヤは、明石のタコや鯛などを使いますよー。お楽しみに!

庭のホテル東京

2017.06.14 │ ブログ

すばらしいホテルに泊まりました。
「庭のホテル東京」。
いつか泊まりたいと思っていたけど、東京に住んでいる時はチャンスがありませんでした。
なので、神戸に引っ越してから、東京出張の時にはぜひ、と狙っていたのでした。

すてきなおうちやお店を訪れると、そこに置いてある隅々にまで、持ち主の気持ちが行き渡っているなあと感じることがあるけれど、
このホテルはまさにそうでした。
部屋のすみずみまで気づかいが行き届いていて、清潔感があり、無駄なものがない!

そんなに広くはない、普通のビジネスホテルくらいの大きさの部屋で
(もともと老舗のビジネスホテルなのだそう)、
価格も高級ホテルの値段ではありません。
だけども、カーテンが障子なだけで、外の世界(まわりは水道橋のビル)とは完全に区切られて、とても落ち着けます。
ベッドの頭のところにも、和紙のようなスクリーンから光を通す、静かでモダンなしつらえがあるだけで、
しっとりとした空間になっていて、すごーく仕事の疲れがとれました。

和のいいところを本当に上手に、現代にあった形でいかしてあるんですね。
カーテンではなく障子だけど、畳ではなくベッド。
浴衣ではなく、とても肌触りのいい、着心地のいいパジャマ。
お湯を沸かすポットやスタンドなど、
ひとつひとつが気持ちのいい形で使い勝手がいいし、
ネット環境も整っています。
外国人のビジネスパーソン風の人たちがたくさん泊まっておられたのもよくわかります。

とってつけた過剰なサービスはなくて、気になる悪いところも全くないー
それってさらりとしていて、実はとても難しいことだと思います。
本当にすてきな、新しいコンセプトのホテルだったなあ。
真に合理的(リーズナブル)、ということについて深く考えさせられ、触発されました。

東京出張の朝ごはん

2017.06.13 │ ブログ

東京出張の朝は、築地でごはん。
(今回は米本珈琲のサンドイッチ。マスタードが効いてて好み。)
足りなくなった乾物もあれこれ調達。

煮干しは産地に近くなったけど、まだ寿屋さん以上のものが神戸で見つけられない。
この煮干しは、ハラワタをとる必要すらない。水に浸けておくだけで、極上のだしがとれる。

「そりゃそうだよ。僕たちゃ、値段で買い付けしてないから。品質で買ってるんだから。」

よっ!ニッポンいち!

お茶の時間

2017.06.09 │ ブログ

一日に何度かお茶の時間をとります。
仕事が終わった夕方はなぜかコーヒーと決まっているのですが、
ホッとしたい夜はほうじ茶。

子どもの頃はほうじ茶なんてほとんど飲んだことがありませんでした。
まったく興味も無かったなあ。
それが20代の頃に訪れた宮崎の一心園で、丹誠こめた茶畑から作られるしみじみとしたお茶の味に驚き、
(一心園は釜炒り茶「月の雫」もサイコー。お客様にお出しするとよくどちらのですかと聞かれます。)
その後、この茎ほうじ茶は、いつもストックしておきたい、わたしのこころのお茶になっています。

ところ変わって、加賀の棒茶も好きです。
何年か前に金沢ヘ行った際にもとめた天野茶店の「加賀かおり」はその名の通りうっとりするような香ばしい香りのお茶でした。
そして、写真に写っている丸八製茶場の「菫テトラ」。
これは、尊敬するデザイナーさんからいただいたものなのですが、さすがにデザインがかわいすぎる!
お茶の度にキュートな気分になりますが、中身はほうじ茶とは思えない洗練された香りで、キリッとしたところがあります。

関西にいると、京都のお茶も手に入れやすくなったので、とてもうれしいです。
色々楽しんでみて、またご報告しますね。

よもぎ

2017.06.07 │ ブログ

5月のBREAD&SWEETSのお教室では、米粉でごはんのようなプレーンベーグルと、甘いおやつベーグルを作りました。
おやつベーグルの方は、よもぎ生地で丹波の黒豆甘納豆を巻いて、よもぎだんごをふんわりとパンにしたような出来上がり。
食べるとよもぎの香りがふんわりして、存在感たっぷりのおいしい甘納豆が出てきます。

思いのほかきれいな緑色が出たのは、つんできた生よもぎを使ったからかな。
すぐそばの川原にはたくさんよもぎが生えていて、つみ放題です。

昔取材で沖縄に行ったとき、料理を教えてくださったおばあさんが
「フーチバー(よもぎ)は血がきれいになるから。」
といろいろなものに入れておられました。
ヤギの汁物にも、臭み消しに青じそみたいな気軽さで入れておられたな。
家に帰ってから、まねしてやってみたかったけど、東京ではなかなかよもぎを手に入れることができませんでした。
(いや、銀座のビルの合間とかだって生えてはいたけど、そこでよもぎをつむ勇気はなかったですね。さすがに)
仕方が無いので、実家の庭から送ってもらったりもしましたが、沖縄の物と本土の物は厳密には種類が違うので、薬味的な使い方は難しかったです。
それでも、油と合わせてみたり(かき揚げに入れてみたり)、沖縄で教わったみたいにおかゆに入れてみたりすると、
一気にからだが温まってビックリしました。
特に胃が冷えて弱っているときには効果てきめん。
もっと日常的に使いたいなと思っていたのでした。
なので神戸に来てよもぎを見つけた時は、小躍りしました。
これでいろんなものが作れる!と。

考えてみれば、30代の前半は、頻繁によもぎ蒸しサロンに通ってずいぶん冷え体質を改善してもらったし、
今でも具合が悪くなるとすぐにお灸(よもぎからできている)をしてたいていの不調はなおしてしまうので、
よもぎさまさまなのです。
中医学では、艾葉(ガイヨウ)と言って、気血を温め、冷えによる痛みや不妊、月経不順などに良いとされる生薬ですから、
何となくアジアだけのものかなあと思っていたけど、
今改めて『大地の薬(ヨーロッパの薬用植物の神話、医療用途、料理レシピ)』(スザンネ・フィッシャー・リチィ著)という本をひもといてみると、
ヨーロッパにも古くからあって、「あらゆる婦人病の際にやさしく助けてくれる、女神の植物」とまで書かれている!

ヨモギのベーグル、初経前の女の子のおやつに食べさせてあげたいです。
(私は生クリームのケーキとかばっかり食べてたからなあ)
女性のからだはむやみに冷やさないようにね、
自分を大切にする知恵とともに。

私たちの足もとにあるものをもう一度見直して、活かしていきたいですね。

元気をチャージ!お酢レシピ

2017.06.06 │ ブログ

酸っぱいものをおいしいなあと感じる季節になりましたね。
この時期には冷蔵庫にいろいろな「作り置き酢」を入れておくと、とっても便利。
玉ねぎの酢漬けや、今ちょうど出ている新ショウガでガリ、じゃこ酢にすし酢など。
どれも料理教室で生徒さん達にお教えして、好評だったものばかりです。

現在発売中の『pumpkin』(潮出版社)6月号p60〜65にてご紹介いたしました。
展開例も諸々載せておりますので、ぜひご参考になさって下さいね。

ガテン系オフィス

2017.06.05 │ ブログ

気がついたら2週間以上もブログを書いておりませんでした。

先々週の頭にスタジオの収納用家具と、書斎の本棚がようやくでき(本棚の方は以前のを持ってきて天井の高さに合わせて扉ごと切っていただいた。食器棚はこの部屋には高さが合わず、作り直し><)、
それからがようやく引越本番という感じで、ものすごい数の段ボールの中の食器と本をすべて出し、片付ける、というのを2〜3日でやったのでした。
死ぬかと思った。四十肩になるかと思った!

スタジオ部分はなんとか5月のお教室には間に合い、海側の眺めはお見せできたものの、
書斎側は扉を締め切って、山側のテラスの景色はまだ生徒さん達に見せてあげられませんでしたー。残念。

その後は、カーテンの裾上げやら、木のペイントやら、いらない収納容器の解体やら、
もうインパクトドライバーとか、ジグソーとか、工業用ミシンとか出してきて、
ガーガーギーギーやっていて、一体私たちは何屋なのかわからないありさまです。
でも楽しいですね。
マキさんとは引越しの度にこんなガテン作業をして、それももう3度目になるから、慣れたもの。
(私たち、一体いつからこんなにたくましくなったのか!?)

調理台や食器棚など、しっかりとした強度の必要なものは、もちろん毎回プロの家具屋さんに作っていただいているのですが、
今回は、新しい家具屋さんが、作りのことを色々説明してくださって、当たり前だけど、そうかこんな風に木や素材がくみ合わさってできるのか、
と思うと、何だか自分でもちょっとはできるような気になってきて、写真のパソコンデスクを作ってみました。

ただ、木を買ってきて、色をつけて、もともとあった細長い薄い棚を台にして側面と上面をネジでさしてみただけだけど、
マキさんに持ってもらって、インパクトドライバーでネジをガガガとうちこんでいくと、
「センセー曲がってます!」「キャー。もう一回やろう。」
「ねじに軍手の白い糸が絡まってるのが気になります!」「ちょっと笑わせないでよー。」
「あー、後ろから出てきましたー。」「やだ、ねじが長かった!」
とか、大騒ぎ。
それでもなんとか、できました。(細部は見ないで?)

私のような全くのど素人でも、「こわす」とか、「組み立て直す」とかやってみるのは、ものすごく勉強になりますねー。
構造がわかると、ものの見方が変わるって言うけれど、たしかに今さらながら、あらゆる家具を見る目が変わりました。
プロの家具屋さんの仕事ぶりにも改めて感謝ができました。
きっと、料理をしたことがない人が、一度でも、包丁を持ってみたり、下ごしらえから皿に盛られるまでを体験してみたら、
これまでただ食べていただけだったものの味わい方や感じ方が全然違うものになるのと同じことでしょう。
一度でもおいしくできたら、「自分でもできるじゃん!」と思えるしね。

私が一度でも魚をおろしてみたり、鶏をさばいてみたりすることが、その後の料理を変えると思うのはそのためです。
センスというのは、感覚的なふんわりとした、先天的なもののように語られることが多いけれど、
私は仕組みを理解したり体験することからも、きっと身に付くことなのではないかと思っています。
それこそが、大人が後天的に努力して得られる、成熟した楽しみなのではないかなあと。
5月の教室を無事に終えてみて、
続けていただければ、しっかり料理のセンスが身につく、
レシピがなくとも料理ができるようになる、そんな教室にしていきたいなあ、と改めて考えているところです。

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